娘と一緒にコーチとしての経歴も始まって、コーチ歴6年になります。
始めは娘が中心だったけど、「他の子にも声をかけるんだから、しっかり学ばなきゃ」と思って出会ったのが、池上正さんの本でした。
池上さんとは実際に会えたし、アミーズでも池上カップに参加しましたね。
池上さんがずっと警笛を鳴らし続けていることの一つが、試合に全員を出すことです。
他のチームのことはそれぞれの考え方や事情があるだろうから、何も言いませんが今まで男子チーム・女子チームに所属していろんなチームを見てきて。
全員を出場させるチームはそう多くないと、客観的にみて感じます。
私は采配を任せてもらえる試合は「絶対、全員出場だ!補欠なんてありえない!」と思ってずっとやってきました。
出場時間の長さは変わるけど。
前所属の男子チームの中で、女の子を集めた女子チームを任されました。
娘が小3の時の低学年大会。
小1~3年が参加できる大会で、全員を出場させて準決勝まで進みました。
準決勝はバチバチのゲームだったけど、勝てばもう1試合はできます。
この試合で唯一小1だった子を、目先の一勝のために最後まで出せませんでした。
勝てばもう1試合できる
勝てば良い色のメダルが取れる
勝てば、出せなかった子をたくさん出せる
全員出さなければ勝てる
そんな陳腐な「目先の一勝」の誘惑に未熟だった私は負け、コーチ人生で唯一、一人だけ出すことができませんでした。
(その日の他の試合には出てもらいました)
結果は負け。
「勝てばもう1試合できる」と考えていたけれど、その日は最後のゲームで一人だけ出せないまま終わっていしまいました。
小1のその子は少しして、サッカーをやめました。
男子の中できつかったのとのことだし、「女子チームでの活動は楽しかった」と言ってくれましたのはうれしかったけど。
あの日出場させていたら、またちょっと違った未来だったんじゃないかと今でも後悔しているし、「もう二度と誰も出さないことはしない」と心に誓ったんです。
あの日の後悔が、今でもずっと私を見張っているような感覚でいます。
先日の選手権では、久しぶりに「全員出さなくても良いんじゃないか」という気持ちに襲われました。
本当にギリギリまで悩んだけど、全員を出して戦った選手権。
私の愚かな悩みなど吹き飛ばすかのように、みんながんばって活躍してくれました。
ほんとアホだったなぁと反省しています。
また同じことを繰り返すところだった。
誰だって勝ちたいけれど、勝ち方と負け方が大切だと思います。
他の人や他のチームのことなんてどうだっていい。
「今、自分がどうするか」で考えた時、今回チーム全員で戦えたのが本当に良かったし、あの日の戦い方に後悔はありません。
チームの主軸の負傷退場が2度もありながら、最後まで崩れなかったこのチームを誇りに思います。
私が采配する時は、これからも全員出すのでそれぞれの選手が輝いてほしいなと思います。
また練習からがんばっていきましょう。